君と一緒に選んだクリスマスケーキ受け取ってからなかなか開封できなかった キャンドルに火を灯し動画撮っているうちに燃え尽くしてしまう短い命僕らの関係のように 君からの最後のプレゼントをいただき今までありがとう直接言えなかったMerry Christmas
群馬生活以来の習慣で 今日も温泉に来た サウナと外気浴を2回繰り返した後 露天風呂に浸かりながら 思緒は遠ざかっていく 目を瞑ると 一、二年前によく行った温泉にいる気分に 白い電球に薄暗く照らされた小さい露天の湯船 時刻がはっきり見えない壁掛け時計…
陽を浴びるのは 冬の憂鬱に効く とSNSで見かけた 渦巻く怒涛の海に浮く藁が一本増えた レースカーテン越しの外は 湿った暗い灰色と直射日光のまぶしさのくり返し 今日の風は強いだろう 13時の大阪市の降水確率は90% 急いで外へ出る 水気をたっぷり含んだ分厚…
カーテンを開け 陽がレースを透けて差してくる 寒い冬の一日 なかなか布団で粘る これからも生きるでしょう 歯の擦り減る具合を見て歯科衛生士は言った まだ死ぬ予定はないけど 喉まで来ちゃったけど言えなかった でも後どれぐらい生きていけるだろう 三十近…
自分の心の穴を埋めるための恋愛をやめたい もうやめると決めた ひとりでいる淋しい夜が怖くて 自分の心の穴を埋める人を探した 愛は相手に自分のために何かを求めることではなく 相手のために自分が何かをやってあげたい気持ち それが君に教えてもらった最…
人群にまじる扉が閉まって日影で走る曲がりに揺れるいつものように足一歩横に出してまもなく揺れは収まる方向は西北から北へ東の車窓から光が人と人の肩と頭の隙間から差し込み一瞬にしてあたたかい金色に包まれたドーパミンの湯舟に浸かったように
またもが風邪を この秋口に 今年の4回目 テレワーク後の本屋散歩だけで 気力失い サイゼに這い込む いつもの小エビのサラダも ダブルサイズに見えた 季節の変わり目に 服装要注意
君との日 の終わる頃は 静まり返った テレビをつけて 寂しさ打ち消す
夜の温泉 帰りに走る 橙色の 道であの頃 恋しく思う
根無し草風にさらされ独り身で
「連絡も取るのもやめておくね。」 「ご縁がなかったということにさせてください。」 終わらない夏 長引く残暑 メッセージを読んだときに止まらなかった汗 忘れられない君の薄い唇 君へのプロポーズはディズニーで良さそう ティファニーの指輪は華奢な君と合…
夢中す 月見料理に 月を見ず 空を見上げりゃ 満月
また会える? 君の「いいよ」の リピート再生 解れそうな赤い糸 波に去られぬように
エレベーターで 11階の映画館へ向かう かごでの何もできない時間に 2回目のデートの君と 初めて真正面に向かい合った レースカーテンのようなブラウス 一長一短の靴下 黒のバレーシューズ どれも素敵だった 11時の陽は十分に眩しくて エレベーターに差し込み…
1週間の備蓄野菜黒ずんだ端を切り捨て辛ラーメン煮込む
砂浜で 寝そべったうちに 貝の破片で 腕に鱗をつけられ 島人となった 沖縄旅の初日
蝉がいなくなったと気づいた日の前日 うちのベランダに 来客は訪れた アポなしで 不時着のようだ 「ポッ」と大きくないが 十分気付けるぐらいの キリッとした音を立てて着陸 レースカーテンを捲って その来客の存在を確認した 降着装置の整備をしているよう…
ずずず…ずずず 夏虫は鳴っている 蝉の音はなくなった 蝉は一晩で現れたように 気づけばまち中は蝉のリズムに満ちている 蝉は長年地中で蓄えた養分で 猛烈に羽ばたいて求愛し、 交尾し、産卵し そして散っていく まだ続く夏に 蝉は造物主に使命の終わりを告げ…
プールの縁に座る 寒色の水銀灯は 冷月のように光り 揺れる水面に 影は割られていく ビル群に埋もれたところで 月見をさせられ 崖縁で 海に沈む月を 見た気がした
一冊を立ち読み終えて飯屋で定食を食べて食べ終わってまだ早い直帰の日
ホームの椅子 滲み出る汗 揺らす扇子 蝉の声 休日ダイヤ 遅刻寸前
アメンボにぼーっとする梅雨の採水 入社して早くも2ヶ月が経ち、現場での研修は今週火曜日を持ってようやく終わりを迎えた。研修の最後の2週間は水に携わることが多く、毎日に数回の湖での水質検査もやってきた。梅雨の時期に不意に雨が降ることも多く、傘…
日本仕様や 端午に備える 物産店の粽 旧暦の5月5日、新暦だと今年の6月10日は端午の日。日本は新暦を使い始めてから端午は新暦の5月5日となり、戦後はこどもの日として定着した。中国では約十数年前から法定休日と定められ、5月のゴールデンウィーク後、10月…